住まいのエネルギー源を特定するための「探偵」のような作業において、最も雄弁に事実を語ってくれるのがブレーカーが並ぶ分電盤と、壁に取り付けられたリモコンパネルです。もし自宅の給湯システムが電気温水器なのかガス式なのか判断がつかない時は、まず玄関や脱衣所付近にある分電盤の蓋を開けてみてください。そこには、照明やコンセントといった通常のブレーカーとは別に、一回り大きいサイズのものや「温水器」と手書きされたスイッチ、あるいは「深夜電力」と印字された専用の遮断器が見つかるはずです。電気温水器は一度に大量の電流を必要とするため、必ず専用の回路が設けられています。もしそのようなスイッチが存在するのであれば、物理的なタンクがどこに隠されていようとも、あなたの家には電気温水器が備わっています。次に、キッチンや風呂場にある給湯リモコンの液晶画面に注目してください。現在の時刻が大きく表示されていたり、「湧き上げ中」という文字が点灯していたり、あるいはタンクの中にあとどれくらいお湯が残っているかを示す「残湯量」のインジケーターが表示されていれば、それは貯湯式の電気給湯機であることの決定的な証明です。ガス給湯器のリモコンは、お湯を出した瞬間に燃焼マークが出ることはあっても、常にタンク内の残量を監視するような表示はありません。さらに、リモコンの設定メニューの中に「深夜時間設定」や「沸き増し」といった項目があれば、それは夜間の安い電気を使ってお湯を作る電気温水器ならではの機能です。これらの設備は、目立たない場所に隠されていることが多いため、入居時に説明を受けないと見落としてしまいがちですが、分電盤とリモコンという二つの「司令塔」を確認するだけで、その正体は容易に判明します。自分の家が電気温水器であることを知ることは、単に設備を知ること以上の意味を持ちます。それは、夜にお湯を作り、昼に使うという独特のサイクルを理解することであり、結果として無駄な沸き増しを減らして電気代を節約したり、災害時にタンク内の水を非常用水として活用したりといった、より高度な生活スキルへと繋がっていくのです。
分電盤とリモコンの表示が教える電気温水器の正体