住宅における給湯システムは、大きく分けてガス式と電気式の二つに分類されますが、専門家でない一般の方が見分けるには、いくつかの決定的なポイントを知っておく必要があります。まず最も分かりやすいのは、排気口の有無です。ガス給湯器は燃料を燃焼させて熱を作るため、必ず熱い排気が出る口や煙突のような構造を持っています。動作中には排気ガスの臭いがしたり、周辺の空気が揺らいで見えたりすることがあります。一方、電気温水器はヒーターの熱によってお湯を温めるため、火を使いません。したがって、本体に排気口はなく、動作中も排ガスが出ることはありません。形状についても、ガス給湯器は「瞬間式」が主流であるため、水が流れる瞬間に加熱できるよう、内部はパイプが張り巡らされたコンパクトな箱型をしています。それに対して電気温水器は「貯湯式」であり、一日分のお湯を丸ごと溜めておく必要があるため、内部のほとんどが断熱材で覆われた巨大な水槽になっています。このサイズ感の違いは一目瞭然で、ガス給湯器が大きなアタッシュケース程度であれば、電気温水器は家庭用冷蔵庫ほどのボリュームがあります。さらに、配管の様子にも違いが現れます。ガス給湯器には当然ながらガス管が接続されていますが、電気温水器には太い電線が引き込まれているのが特徴です。また、電気式の中でも最近主流となっている「エコキュート」の場合、タンクとは別に、エアコンの室外機にそっくりな「ヒートポンプユニット」という機械が必ずセットで設置されています。もし、大きなタンクはあるけれど、室外機のような機械がどこにも見当たらないのであれば、それはエコキュートではなく、よりシンプルな構造の電気温水器であると判断できます。これらの違いを理解しておくことは、故障時の対応やメンテナンスの際にも役立ちます。例えば、断水したときにタンク内の水を非常用飲料水として利用できるのは貯湯式の電気温水器ならではのメリットですが、瞬間式のガス給湯器にはそのような機能はありません。自宅の設備がどちらであるかを把握することは、災害対策の観点からも非常に有意義なことなのです。