ドラム式洗濯機で水が抜けないというトラブルに直面した時、排水フィルターやホース、排水口の詰まりを確認しても改善しない場合は、洗濯機内部の「排水ポンプ」が故障している可能性を疑う必要があります。排水ポンプは、洗濯槽に溜まった水を強制的に外部へ排出するための重要な部品であり、これが故障すると、水は全く流れなくなり、洗濯機が正常に動作しなくなります。 排水ポンプ故障の主なサインとしては、まず「排水エラーコードの表示」が挙げられます。ほとんどのドラム式洗濯機は、排水に問題が発生すると、ディスプレイに特定の数字やアルファベットのエラーコードを表示します。これは「排水異常」「水位異常」など、何らかの排水に関する問題を示しており、取扱説明書でそのコードの意味を確認すれば、排水ポンプの故障が原因である可能性が高いと判断できる場合があります。 次に、「排水時に異音がする、あるいは音がしない」というのもサインの一つです。通常、洗濯機が排水する際には、ポンプが作動する「ブーン」という低いモーター音が聞こえます。しかし、ポンプが故障している場合、この音が全くしなかったり、逆に「カラカラ」「ガーガー」といった異音が聞こえたりすることがあります。これは、ポンプのモーターが正常に回転していない、あるいは内部で異物が絡まっているなどのトラブルを示唆しています。 さらに、「手動で水を抜いても、すぐにまた水が溜まる」といった現象も、ポンプ故障の可能性を示唆します。一部のドラム式洗濯機には、手動で水を排出するための緊急排水口が備わっていますが、これで水を抜いても、再度洗濯機を動かすと水が溜まってしまう場合は、ポンプが機能していないと考えられます。 排水ポンプの故障は、自分で修理できるものではありません。内部の構造は複雑であり、電気的な知識も必要となるため、素人が分解修理を試みるのは非常に危険です。感電や火災のリスク、さらには洗濯機本体を完全に故障させてしまう恐れもあります。もし、これらのサインが見られた場合は、無理せずすぐに洗濯機の電源を抜き、給水栓を閉めて、メーカーのサービスセンターまたは専門の修理業者に連絡しましょう。プロに任せることで、安全かつ確実に問題を解決し、高額な修理費用が発生する前に適切な対処ができるでしょう。