新しい洗濯機を設置したばかりなのに、脱水時に信じられないほど激しくガタガタと揺れる、まるで洗濯機が暴れているかのようだ…そんな経験をした方は、もしかしたら「輸送用ボルト」の取り外しを忘れているかもしれません。これは、新しい洗濯機を購入した際に誰もが陥りがちな、しかし非常に危険な「盲点」です。 輸送用ボルトとは、洗濯機を運搬する際に、洗濯槽が動いて内部の部品が破損しないように固定するための安全装置です。特にドラム式洗濯機は、洗濯槽がサスペンションで吊り下げられているため、輸送中の揺れから保護するために強力に固定されています。このボルトは、洗濯機を設置する前に必ず取り外すようにメーカーから指示されていますが、説明書を見落としたり、業者任せにしたりすると、そのまま使い始めてしまうことがあります。 もし輸送用ボルトを取り外さずに洗濯機を運転すると、どうなるでしょうか。洗濯槽は固定されたまま回転しようとするため、モーターやサスペンションに異常な負荷がかかります。その結果、洗濯機全体が非常に激しく揺れ、大きな騒音を発生させます。これは単なる揺れや騒音の問題にとどまらず、洗濯機本体の故障、床や壁の損傷、さらには漏電や火災といった重大な事故に繋がる可能性も否定できません。 輸送用ボルトは、通常、洗濯機の背面や下部に取り付けられており、機種によって本数や形状は異なりますが、数本から十数本取り付けられていることが多いです。多くの場合、カラフルなキャップや目立つネジで示されています。新しい洗濯機を設置したら、まずは取扱説明書をよく読み、輸送用ボルトの取り外し方法を必ず確認しましょう。ドライバーやレンチを使って簡単に取り外せるものがほとんどです。取り外したボルトは、将来的に引っ越しなどで洗濯機を運搬する際に必要になる可能性があるため、大切に保管しておくことをお勧めします。 もし、今お使いの洗濯機が新品で、異常な揺れが気になるのであれば、すぐに輸送用ボルトの有無を確認してください。この小さなボルト一つが、あなたの洗濯機を救うか、あるいは大きなトラブルを引き起こすかの分かれ道となることを覚えておきましょう。
新築なのに揺れる?輸送用ボルトの盲点