洗濯機が激しくガタガタと揺れ、大きな音を立てると、故障ではないかと不安になるものです。特に脱水時によく発生するこの現象は、単なる騒音問題にとどまらず、洗濯機の寿命を縮めたり、床や周囲の家具に損傷を与えたりする可能性もあります。しかし、このガタつきにはいくつかの典型的な原因があり、多くの場合、自分で解決できる問題です。慌てずに原因を特定し、適切な対策を講じることが大切です。 最も一般的な原因の一つは、洗濯機の「水平が取れていない」ことです。洗濯機は、洗濯槽が高速で回転するため、わずかな傾きでも重心がずれ、激しい振動を引き起こします。特に、引越し後や新しい洗濯機を設置したばかりの頃に、この問題が発生しやすい傾向があります。次に考えられるのは、「洗濯物の偏り」です。毛布やシーツ、複数の衣類が絡み合って片寄った状態で脱水されると、洗濯槽のバランスが崩れ、異常な揺れが発生します。これは特に、乾燥機能付きのドラム式洗濯機で起こりやすい現象です。 また、新しい洗濯機を購入した場合に忘れられがちなのが、「輸送用ボルト(輸送用固定具)」の取り外しです。これは、運搬中に洗濯槽が動かないように固定するためのもので、設置前に必ず取り外す必要があります。これを取り忘れると、洗濯槽が固定されたまま回転しようとするため、非常に激しい揺れと異常音が発生し、洗濯機本体を損傷させる原因にもなります。さらに、排水ホースや給水ホースが洗濯機の足に挟まっている、あるいは床の状況が不安定であるといったことも、ガタつきの原因となることがあります。 これらの原因を特定し、適切に対処することで、多くのガタつきは解消されます。水平調整、洗濯物の入れ方の工夫、輸送用ボルトの確認、そして設置場所の確認が、快適な洗濯ライフを取り戻すための第一歩となるでしょう。もしこれらの対策を講じても改善しない場合は、洗濯機内部の部品に問題がある可能性も考えられるため、専門業者に相談することを検討すべきです。